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シャドウ(道尾秀介)

先日、『インシテミル』の映画化を記事に書いたのですが、その日を境にブログへのアクセス数が急増しました。
米澤ファンの方ってこんなにいっぱいいるんだなー、と改めて感心しました。
というのも、身の回りに米澤穂信ファンってすっごい少ないんですよね。
続々映画化の煽りもあってか東野圭吾あたりなら一緒に話す相手もたくさんいるんですが…。
『ひぐらしのなく頃に』実写化の時は、ショックの方が大きすぎたみのりですが、『インシテミル』では先にも書いたように「複雑な心境」どまりです。

さて、今回綴るのは『シャドウ(道尾秀介)』です。
先ほど後書きを読んでいるときに、「素人のブロウの感想でもあるまいに…」という一文を見つけて、心にグサリと刺さったみのりですが、とりあえず感想を書こうと思います。

シャドウ (創元推理文庫)シャドウ (創元推理文庫)
(2009/08/20)
道尾 秀介

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(以下、感想。ネタバレ部は反転)
読後感想としての第一番、悲しいかな、やっぱり比較してしまいます。個人的には、先日綴った『向日葵の咲かない夏』程の衝撃はありませんでした。あの歪んだ感じの世界観と、最後のシーンをよくよく考えてみると…っていう後味が最高だったんですよね。最後の部分なんかは手紙の描写で終わりにしてくれると良かったかなぁ。「前作の“救いがない”という批判に答えて…」への意識なのはわかりますが。あと、少々の出オチ感が拭えませんでした。今回も叙述っぽかったので、最初から折原を意識していましたし、登場人物達が精神医学関連の話をしだすと、すぐに多島斗志之(そういえば、現在失踪中でしたね…多島さんの本もなかなか面白い本が多く、一時期夢中で読んでいたことがありました。一刻も早く発見されることを願っています)の『症例A』が浮かんでしまい…後はセンター試験のために倫理勉強したのも要因かな。『シャドウ』とか出てきちゃったし。『向日葵』は今後十年間くらい忘れられない作品になりそうですが、『シャドウ』はそこまでではないかなー…みたいなところでしょうか。いえ、『シャドウ』も当然無茶苦茶面白いんです。ただ、『向日葵』の衝撃が大きすぎたんじゃないかな。
と、ちょっと不満だった点も述べ終わり、後は散々に褒めちぎることにしましょう。
いや、面白いです。向日葵を例に挙げても、おおかたの推理小説は基本的に追っていく事件は1つのものが多いです。連続殺人みたいのもありますが、それも1つの“連続殺人”という括りの中にある。ところが、この小説ではもう様々な謎が話が進めば進むほど複雑に複雑に絡み合ってきます。それが最後の数ページで1本の糸として綺麗に見えてくることが、解説にもあるとおり、“本格推理小説の膝を打ちたくなる快感”なのでしょう。
トリック面でいえば、叙述トリックであることは『向日葵』と相違ないのですが、『向日葵』が「主観トリック(いわゆる信頼できない語り手トリック)」であるのに対し、『シャドウ』は「主観描写の不足トリック(正式な名前はわかりません)」とでもいえばいいんでしょうか。同じ叙述トリックといっても方針が全く違います。もう何度、まんまと騙されたことか。上では出オチとか偉そうなこと言ってましたが、ずっと最後まで「洋一郎が亜紀を」と思ってましたよ。あれだけ、亜紀が“鳳介くんには言わない方がいい”って繰り返すし、“小父さんには会いたくない”なんて言い続けるし…これが本作最大の引っかけだったんですよね。もう見事としか言いようがありません。えーっ?!って感じでした。
また、文体的な面で言っても、みのり自身『匣の中の失楽』を読んだばかりでしたし、『向日葵』と比べても非常に読みやすかったように思います。ドキドキしながらページを捲るこの感覚、たまりませんね。

ところで、このミスリードの連続を最近どこで味わったかなと思えば、小説ではないですが「車輪の国、向日葵の少女」でした。「叙述トリックだ!きっとこの辺に何か隠されてるに違いない!」とか「如何にも怪しい!だから、ここがトリックの根本!」とか思って叙述トリック系を読み始めるんですが、最後にはまんまと騙されているみのりがいます。でも、それが気持ちよくて半ば悔しく思いながらもまた叙述系を読んでしまうんですよね。

道尾秀介が好きな人は折原一も好きかもしれない。折原一が好きな人はるーすぼーいが好きかもしれない。みたいなことを考えながら、『シャドウ』の読書録はこの辺で、

おしまい。

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Re: No title

> 道夫じゃなく道尾さんです

訪問及びご指摘ありがとうございます。
合計で3カ所も打ち間違えていました。大変助かりました。
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プロフィール

柚木みのり

Author:柚木みのり
趣味:女装・読書(国内推理小説)
サークル:大学ではミス研。趣味では同人サークル「きゅうり定数」の主宰です。女装や制服の評論本・研究本を出してます。

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